……認めたくないけど、きっと朱雀に話したから気持ちが楽になったんだ。
誰も深いところを見てくれなかったくせに、朱雀だけがわかってくれて。
ムカつくけど……仕方がないから感謝してあげる。
でも、今後一切、彼女になれとかふざけた事を言ったら、今日みたいにグーパンしちゃうんだからっ!
「意外と、いけるかも、私」
朱雀にパンチをくらわした事を頭に思い浮かべて、シャドウボクシングをしながら、私は家に向かって走った。
家に着いたけれど、さっきお母さんに暴言吐いた事を思い出した。
不満を全部ぶちまけちゃったし、どんな顔をして会えばいいんだろう……。
私はそっとドアを開けた。



