「私が……あの日、ちゃんと3教科受けられていたらこんな事にはなっていなかったのかな?」
「……お前、本気でそう思ってんの?」
グスグスと鼻をすすっていたら、朱雀は怒ったように言った。
「あのさー。あの日、響がいたからあの女の人は、無事に出産できたんだろ?そういう事まで否定しちゃうわけ?」
「あっ……」
そうだ……。
あのお姉さんは、私にすごく感謝していたっけ。
何もできなかったけど、そばにいて励ましてくれたことがすごく嬉しかったって。
……自分の事ばかりで忘れていたよ。
「表面しか見ないやつの事なんか放っておけ。気にする価値なんかねーよ」
「朱雀……」



