ズザッと地面に足をついて、ブランコを止める。 風を切っていた時は爽快だった気持ちも、止まったとたんにしぼんだ。 「うっうっ……」 ブランコのチェーンを握りしめて、私は静かに泣く。 「みーっけ」 ガシャンッとブランコのチェーンをつかまれ、少し揺れた。 顔を上げると、そこに朱雀の姿があった。 さっき電話を切ってから、そんなに時間はたっていない。 「朱雀……何で……?」 「何でって、当たり前だろ?心配したからだ、バーカ」 そう言って、朱雀は私の右頬をつねった。