どこにも居場所なんかない……。 行くあてもなく走ったけれど、空を見上げてため息をついた。 この辺をウロウロしていたら、同じ中学だった人に会ってしまう。 きっともう、私の事は広まってしまっているだろう。 佐和子の事だもん。 メールで面白おかしく広めているはず。 「……朱雀?」 スカートのポケットに入れていたスマホを取り出すと、不在着信が10件を超えている。 未読メールもあり、それらは全部朱雀からだった。 そういえば、朱雀と龍斗に何も言わずにファミレスから出てきちゃったんだっけ。