改札を抜けると、ちょうど電車がきたところだった。
息を切らしながら乗り込むと、タイミングよくドアが閉まる。
「はあ……」
ため息をついたとたん、涙がこみあげてきた。
入学して2日目でこんな思いをしなきゃならないなんて……。
もう、学校に行きたくないよっ!
「あれ?響ー。同じ電車だったんだ?」
「……佐和子……」
人が落ち込んでいるときに限って、何で会いたくない人に会っちゃうかなぁ。
「ねーねー、宮田ー。響いるよー」
「えっ……」
佐和子が奥の方を振り返って、宮田の名を口にした。
私は驚いて声が出てしまう。



