桜の匂いがしたような気がした―― 「えーーっ!!!???」 そう、空席の筈の席には、今朝会った桜の女の子が座っていた。 相変わらずの非現実的な顔で、物差しでも背中に入れているのではないかとゆうぐらい背筋を真っ直ぐと伸ばして。 「な、なんで?」 あまりの予想外さに、僕は何の面白みもない言葉を口にしていた。 僕の当然の問い掛けに答えたのは、桜の女の子ではなく茜だった。 「ああ、柏木は遅刻してきたから知らないけど、今日転校してきた『佐倉 香(サクラカオリ)』さん」