でも、どうしてここにいるんだろう?



そう思ってふと黒瀬くんを見る。




「先輩、もしかしてこれ探してます?」



すると黒瀬くんは手に持っているものをあたしに見せた。




「あ、それ!あたしのスマホ!」



なんだ、黒瀬くんが拾ってくれてたんだ。



このまま見つからなかったらどうしようかと思った。



「ありがとう!」



そう言って受け取ろうとすると、黒瀬くんはスマホを持った方の腕をあたしの届かない高さに伸ばした。



「あ…え、」



なに?


何が起こったの?