「かーわいー。」



柊先輩は、手をあたしの頬に移してそう言った。



「か、からかわないで下さいよー!あはは…」



恥ずかしさを誤魔化そうとしたけど、動揺がバレバレ。



たぶんあたしの顔は真っ赤。



「照れてる顔もかわいい。」



「え、ちょっ…」




いつの間にか抱きしめられているあたし。



あたしの座るイスが、少し重みがかってキシッと音をたてた。



慣れてるはずの柊先輩のハグなのに、今はなぜかドキドキする。



いつもの先輩じゃない。




「せ、先輩?」