「ね!梓、チャンスじゃない?」



「うん。確かにお客さんは増えそうだね。でも黒瀬くんが役者やってくれるかは……」




場所を舞台に移して、部長が説明を始める。


「いつもこの体育館の舞台で活動しています。活動時間は大体6時まで。」




「そうだよね…自己紹介のときも役職は裏方がいいって言ってたもんね。」



あたしと梓はひそひそ話を続ける。



「でも本当にかっこいいよね。」



「あたしが今まで出会った人の中で一番かっこいい。」