君を抱く手なのに傷付けそうで



メガネは体の一部と、ふざけた言葉はあながち間違いではない。


まったく見えない世界。歩くこともままならず、壁伝いに進むも、人とぶつかってしまった。


後悔したところで手遅れ。『最初から、やらなければ良かったのに』。


「……」


そう言う彼女を思い出すなり、自然と自分のスマフォへ手が行った。


メールは打てないが、通話ぐらいは出来る。おぼろげな視界ながらも、いつもの習慣で指先は勝手に動く。


「……、もしもし」


三コールで出た彼女の声を確かめ。