君を抱く手なのに傷付けそうで



「やっぱり……異常なんだろう、俺は。今だって、君をこの部屋に括りつけたいと思ってしまう」


正常と異常の差。
俺がおかしいと自覚しているのに、愛し続けてしまう。


限界値がない。日に日に増える愛情は、いつか俺が、『本当にしてしまう』と物語っているよう。


今日のこれは序章と言ったところか。


「いつか、千花を傷付けそうで怖い」


優しく抱けなくなる。


泣かせてしまうかもしれないと、考えただけで首を絞めたくなってきた。


「……、継実さんは私を傷つけませんよ」


ややあって、彼女が俺の顔を上げさせる。


「傷つけることはしない。それもあなたの愛し方だと、私は受け入れますよ。大好きな人がすることなら、許しちゃいます」