ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。






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教室で瞬く…白い光。






「……激写っ。」




「は?お前何撮っんのっ?!」



「ん~…?…写真。」



「見りゃわかるよ、そりゃあ!」





壁に背を付けて…床へと座り込んこんでいるしんちゃんが、早瀬へと…突っ掛かる。




「まあまあ、思い出づくり?…お、出来た出来た。……ホラっ。」




ポラロイドで撮った写真を。


早瀬はしんちゃんへと差し出す。





「8組名物…、『半目開いて寝る男』っ!」



「なんちゅー思い出を撮ってくれちゃうかなあ…。」




「まあまあ、ではこちらのペンでメッセージをどうぞ。」



「は?」



「矢代先生への感謝の色紙…ならぬ、写真。しかも、寄せ書き風じゃなくって…、バラまき風?」




「……はい?」





しんちゃんへと…早瀬は耳打ちをして。



二人して…ニヤリと笑う。




ロクなことを考えていないだろうけれど…、



彼等が考える悪戯は、案外楽しかったりもする。






だから……取り敢えず、放っておいた。





それからしばらくして……



早瀬は、写真撮りに励んでいた。



カメラ視線やポーズ撮りはNGらしく……。



油断はならない。




特に、女子のみんなは…人気者の早瀬がカメラを構えることで。



ガチガチと…緊張しているようだった。








「早瀬~、私の写真は撮れた?」



早瀬は私にいつまでも絡んでくることはなくて…。



気になったある日、こっちの方から…声を掛けて見た。



「………うん。紗羽ちゃんの傑作はもうあるから。」





そう言って、キョロキョロと周りを見渡すと……。



彼はひょいっと近づいてきて。



そっと……


耳打ちしてきた。








「紗羽ちゃんのは…、修学旅行ん時の、アノ写真。」




「……えっ。よりにもよって…それ?」



「あれが一番、面白いんだもん。」



「…………。……そっか。まあ…、いいけどさ。メッセージはどうするといい?」



「……明日書いてくれる?その写真、今日持って来てないから。」




「……ん、わかった。」






耳元に彼の吐息が触れて……。



妙にこそばゆかった。







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