10年後……。 残された傷跡を…彼と同じようになぞって。 柱へと……もたれ掛かる。 定規変わりに手を置いて、 久しぶりの…… 背くらべ。 「…………。追いつけなかったな…。」 早瀬の線は…手の甲の僅かに上。 至る所に…… 彼の気配。 「……バイバイ、早瀬。」 ドキドキした感情は…… あの時、ここに置いていったまま。 ただ……、 時間だけが…… 過ぎていた。