私は徐に立ち上がって。 父の待つ部屋へと… 足を踏み入れる。 四角い枠の中で微笑むのは、 昨年他界した… 私の父親。 享年62歳。 遺影の父は、口の端に微笑みを浮かべては… 私を見つめていた。 「………ただいま。」 『おかえり。』 頑固な口元が…緩む瞬間が。 見えた…気がした。