無駄なことはしない…、ってことか。
私とみっちゃんは顔を見合わせて。
「ウチらも要領よくいこっか。」
早瀬の真似っこして……
軽い鞄を背負って帰った。
……が、
翌…、月曜日。
なんと………、
その教科書たちが…
跡形もなく、無くなっていた。
朝から職員室に呼び出されたのは……
私達3人。
没収された教科書の束で、ベチン☆と頭に降ってくる重み。
担任からの……
長~いお説教。
「あほー。バレちゃったじゃん。」
早瀬がウチらを横目で睨むと、
「お前が悪いッ!」
矢代先生の愛のムチが、再び彼の頭へと降ってきた。
叱られているのに、早瀬は呑気にも口角を上げて。
楽しそうに…笑っていた。
後にも先にも、担任に叱られたのは初めてで。
教室に戻ってきた私達は……
少々ブルー。
いつもと変わらない様子の早瀬は、やっぱりつわもので。
「…ごめんごめん。元気出せって!」
可愛らしい顔して慰めようとする。
「仕方ねーな、俺が毎日どうやって頑張れんのか教えてやるよ。超、癒されるぞ、紗羽ちゃん達も。」
「「癒し………?」」
『癒し』というキーワードに。
勉強ばかりの毎日にうんざりしていた私達が…
反応しないハズもない。
「ん。良かったら…家に来てみてよ。」
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