玄関に足を踏み入れると、靴箱に立て掛けるようにして…
プラスチック製の野球バットが置いてあった。
それから―…、
新品のままのグローブは、靴箱の上に。
早とちりサンタが、ぶかぶかのソレをプレゼントしてきたのだから…、とりあえず、出番待ちする他ない。
土産のアイスクリームを食べている息子の側で、腹の大きな嫁は……
一通り、しゃべり倒した。
「あのね、今日庭でボール遊びしてたら…、ストライクゾーンにボールが来たもんだから奇跡的にバットに当たってね?窓に直撃しちゃって……!」
「……ウン。」
てか、紗羽が打ってどうする?
頼むから…、そーいうのは公園でしてくれ。
「みっちゃんが遊びに来てさー、未來ちゃんが『かわいー』って言いながらめちゃくちゃ世話してくれて……」
「勇生…、早くも失恋か。」
ご愁傷様……(合掌)
「そうそう、コンビニに行ったら……、何と!…、」
「……!待て、進藤か?」
「………ハ?…えーと、スピードくじ、2回とも当たって…。」
「……なんだ…。」
折角のネタが、先どりされたのかと思ったじゃん。
「……で、そこの店長さんがすごくいい人で。」
「……………?!」
「当たったコーヒーに未來ちゃんとこの子がガッカリするのを見て、オレンジジュースに交換してくれたんだよー。」
「………オレンジ?」
「……うん?」
「それって…、進藤?」
「………?アゴ髭生やしたワイルドな感じの店長さんだったけど?」
「や。ソレ絶対進藤だし。」
「……進藤って……、あの、進藤くん?」
「……多分。」
なるほどね……?
だから、進藤は――…
このアイスを、嫁と「息子」に買って行くって、解ったんだ…。
うん……、やっぱり
何なんだ…、今日は。
可笑しいけど、楽しい日だな…?


