扉を閉めて。 俺は…、10年以上も前の自分の姿を……思い巡らせる。 ここに、最後の一枚を……隠したのは。 きっと、見つけにくいでだろうと…予想していたからだった。 人の目を盗むように、こっそりと…侵入して。 裏返したままの写真を… 急いで閉じ込めた。 確か、その写真は――…。 いつもの教室の光景と…、彼女を見る、俺の姿。 「甘かったなー、俺も。」 いとも簡単に見つかってしまうだろうとは、 当時の俺も、それから――…俺の生徒達も。 思いも…しなかったんだろうな。