ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。





ん?


俺らがナニをあげたかって?




まあまあ、夜は長いから……野暮なことは聞かないでくれ。



悪いが、そこは割愛させて――…





「ってか、恒生。さっきからだれと会話してんだ?外にナニがいるんだよ……。」



――…おっと。



帰りのタクシー。


ついつい窓の外を見ながら…物思いに耽ってしまった。



しんちゃんはどうやら、誰かと交信していると勘違いしているようだけど…。


残念ながら、俺にそんな能力はない。



そーゆー時は、大概、楽しいことを妄想してるだけなんだ。



ま、


俺という人間を誤解させてた方が…愉快な方向に行くからさ。


……それでいい。








「しんちゃんにしては…、ナイスなチョイスだったね。引っ越し祝い。」



「まあねー、だてに片想いしてませんから。」


「なにせ自社製品だからね、運命感じるでしょ?」


「うーん……。複雑だ…。」