鳴りやまぬ…拍手の音が。
大きな扉が閉ざされていくのと同時に……
聞こえなくなった。
「…………お、終わった~…!」
「紗羽ちゃん、まだだよー?これから見送りもあるし…。」
「あ……。そっか。」
「……。てか、そんなに緊張してたんだ?」
「うん、余りにもドレスの裾踏んじゃいそうになるから、中で、超蹴りながら歩いてた。格闘だね、ほんと。」
「そっち?!」
「………?」
おっと……。
そこにおりますのは、本日めでたくご結婚された、バカップルにございますな?
「今から会場にエンディングロールが流れますので…、お二人共、曲が始まったら扉を開けてこっそり見てくださいね。」
「え!いいんですか?」
「はい、全く問題ないですよ?みなさんスクリーンに夢中で、誰もこちらを見ませんから…。大抵の方がそうされてます。」
そうそう、エンディングロールは、見とかないと…。
「……あ…、始まりましたね。」
さっき出てきたその扉を…僅かに開けて。
奴らは、顔だけそっと…覗かせる。
頭隠して尻隠さずって言葉が…ピッタリだ。
俺は……、
ロビーに置かれたソファーの…上。
横たわっていた体を…ゆっくりと起こして。
その様子を…窺う。
介添え人のおばちゃんと目が合って。
俺は、「しー…。」と…
人差し指を立てる。
「また、後で参りますので…。」
空気を呼んだらしいおばちゃんは、二人にそう断って…席を外してくれた。


