一体、この映像を…誰が作ったのか?
さっきまで、まるで自分がプロデュースしたかのように…、悠長に事を見ていたけれど。
俺が手掛けたのは…
ほんの、一部に過ぎなくて。
柱の…傷も、
教室から見える…景色も、
最後の写真の…意味も。
俺らにしか……知り得ないものなのに。
さっきまで賑わっていた会場は…、
水を打ったかのような…静けさだった。
映像に、目を奪われていた俺は…
小さく響いて来る声に…
ふと……我に返る。
暗闇の中で、紗羽ちゃんは…、
泣いていた。
青春時代の…もどかしかった恋を。
思い出したのだろうか……。
傍で、彼女を支えるようにして、背中を…優しくさする早瀬も。
顔を上に向けて…
まるで、込み上げて来るものを……グッと堪えている。
そんな風にも…見えた。
次第にライトが…明るくなり、
彼らが、真っ先に…探したのは。
矢代先生の…姿だった。
二人、顔を見合わせると……
「「ありがとうございます!!」」
って、急に、立ち上がって叫ぶから。
先生も…驚いたに違いない。
そんな顔出来んのかっていうくらいに、優しい顔して……。
「おととい…、来てやったぞ。」
と、
そう、答えた。
俺もまた…、目頭が熱くなったけれど。
誰にもばれないように…下を向いてやったんだ。


