用意されていた…、二人がけのソファー。
新郎新婦は、そこに座って…手拍子を打っていた。
最後に俺が登場すると……、『先生』の顔つきから一変!
二人とも素になって……
メチャクチャ笑っていた。
音楽が…会場に流れる 。
聞いたことがある、この曲は…。
「………!」
アンパン〇ン体操。
歌の出だしで、叫ぶんだよな…、確か。
♪~♪……
「……っアンパーン…
「「「「さわせーんせー!!!!」」」」
そうきたか!
紗羽ちゃんは、歌を口ずさみながら…体を左右に揺らしていた。
紗羽ちゃんが見せる笑顔もそうだけど、ヤツもまた…、子供好きっていうのは嘘じゃないらしい。
屈託ない笑顔で、嬉しそうに…その様子を見守っている。
……が、見よう見まねで踊る俺は…、案外、ついていくのに必死で。笑う余裕などない。
時折、目が合うと…。
奴らが吹き出しそうになるから、途中からは…わざと目を逸らしてやった。
ダンスが終わると、先生の「せーのっ」の、声に……
一斉に、声を上げた。
「さわせんせい、えいじさん、ごけっこん…」
俺は…、その波に逆らうことはできずに、一緒になって…叫んでいた。
「おめでとうございます!!!」
会場は……、拍手喝采!
黄色い声が…飛び交っていた。
「……ふうー……。」
なんとか……無事、終えたようだ。
子供達は、誘導されるがままに、新郎新婦の元へと行って。
一人ひとり…お土産を貰っていた。
彼女は…、やっぱり泣いていた。
俺もちゃっかり並んでみる。
すると…、どうだろう。
「お前にくれてやるものなどないわっ。」
手土産に代わって、ヤツからはデコピンのご褒美が…待っていた。
それから…。
「ありがとう。……サイコーだった。」
……だってさ。
気分が……
何だかスッキリとしていた。
恥を偲んでしたことが、案外…度胸だめしにも…なったらしい。
勢いに任せて言ったあの言葉も、不思議と後悔は…なかった。
自分のカタい殻を破って。
何かを…打破したみたいに。
「………ん?」


