そこからの俺は…
とても、饒舌だったように思う。
酒に弱いことは…自覚していたけれど。
まさか、酒に呑まれるとは…思ってもいなくて。
うじうじ悶々する自分が…アホらしくなったのか、よく分からないが…ハイになっていた。
「……恒生、新郎に酒注ぎに行くぞ!」
恒生を誘って…、高砂へと向かう。
先客を待っている間に…
空っぽのグラスに、それはまあ色んなモノを注いで、悪巧み。
途中、うっかり紗羽ちゃんと目が合ってしまい…
グラスを隠そうとしたけど……。
…………やめた。
察した彼女は笑ってるし、こんくらい…俺らにとっちゃあ、ご挨拶。
ようやく順番が回ってきて、
恒生にグラスを任せて…俺は、カメラを構える。
紗羽ちゃんが、自身の椅子を少し離したのが…こっそり笑えた。
「………安らかなご家庭を…、カンパーイっ!!」
恒生とグラスを合わせて、なんの疑いもなく…ヤツはグビっと飲むと。
そのまま、漫画のように…
ブーっと吹き出した!
てってれ~♪
ドッキリ大成功の、音声が…恒生のスマホから流れて。
ようやく顔を上げたヤツが…
ポツリ、と呟いた。
「何これ…、なんの洗礼?」
「初心!忘れるべからず!」
「……はああ~?アホかーっ、今日することかっ!………お?でも衣装は奇跡的に無事って凄くね?」
切り替えの早さは…ハンパない。
同意を求め、ヤツは紗羽ちゃんの方を向くが…
彼女はどうやらツボに入ったらしい。
綺麗な顔して…、ケラケラと笑う。
「お前もグルかっ!」
「初歩的なイタズラじゃん、引っ掛かる方が悪いよ。」
なんて寛大な…嫁さんだ。


