二人は手を取り合ったまま、壇上へと上がり……。
招待客へと向かって、深々とお辞儀をした。
「……………。」
ヤツとの…違い、か。
歴然としているのは。
やっぱり…顔立ちだろう。
(当たり前だけどさ)
背は…どっちかって言うとチビの部類だ。
だけど、その顔もまた…小さい。
俺と並べば、更にそれが…顕著になるけれど。
甘~い顔をしてやがる。
人懐こい笑顔でこれまで何人のオンナを泣かせてきたのか…わかりゃしない。
実は、強かな…野心家だっていうのに。みんな…その、柔軟な物腰に、騙されるんだ。
「くうう…、マジイケメン度アップ!」
ホレ見ろ、ここにも…該当者1名。
利央さんのカメラのシャッターを切る頻度が…ハンパない。
二人は、目の前に置かれた誓約書を…手に取ると。
お互いをチラっと見合って。
それから……
声を揃え、読み始めた。
「「私達は、本日ご列席の皆様の前で結婚の誓いを…いたします。」」
彼女の声が…、少しだけ、震えていた。
「「一、お互いの愛するものを…大切にします。」」
…………。
「「一、喧嘩しても、その日のうちに仲直りをします。」」
……なんじゃそりゃ…?
会場から、クスクスと…笑いが起きた。
奴は、彼女の緊張に…気づいているのだろう。
片方の手を、君の腰に回して。
そっと…リズムを打つように、優しく叩いている。
それから。
震える声をカバーするように。
ハッキリと、堂々たる口ぶりで…
毅然とした面持ちで、読みあげていた。
ああいう…物怖じしないところは…、ヤツの最大の魅力なんだろう。
そもそも、高校の先生やら、友達やら、こんなに多くの人の前で…
愛を誓おうだなんて。
証人になってもらおうだなんて。
俺には…おそれ多くて出来ない。
「「一、イタズラ心を忘れずに、ユーモアと笑いに溢れた家庭を築きます。」」
「「一、絶えず相手を敬い、思いやっていきます。」」
「「一、結婚記念日には美味しいものを食べて、愛を確認し合います。」」
これ、ゼッタイ自分達で考えた言葉だろ…?!
お前らがタッグくんだらなあ、そりゃあ末恐ろしい イタズラが頻発すんだろ。
厳粛なムードは……、一体どこへ?
奴ららしい誓いの言葉に。
会場からは笑いと…
拍手と…
冷やかしの声までが上がって。
一気にアットホームな雰囲気へと…様変わり!


