会場が…一気に暗くなって。
司会者の言葉の合図と共に…しっとりとした曲が流れる。
「…始まる…。」
美那子が…入口の方へと、体を反転させて。
俺は…息を飲んで、その瞬間を…待った。
入口の、扉が…開く。
スポットライトを浴びて…
オフホワイトのウェディングドレスに身を包んだ君は、凛とした顔つきで、少し…口角をあげて。
背筋を…シャンと伸ばして。
一歩一歩…歩く。
彼女と腕を組んで歩いているのは。
父親の写真を抱えた…、彼女の母親。
「……紗羽…、綺麗…。」
感極まったのか、美那子は…既に泣いていた。
「……うん…、キレーだな。」
俺は、思わず…カメラのシャッターを切る。
ここは…教会でもないのに。
まるで…、そうであるかのように、厳かな雰囲気。
皆の視線を一手に担い、
まばゆいフラッシュの中を…ただ、前だけを見て。
彼女が見つめる先には…
奴がいる。
奴が、待っている。


