ウェルカムドリンクを嗜みながら…
時間を待つ。
「俺ら一緒の席じゃん?」
「おー…、『新郎新婦友人』になってるね。しかも、センターか。」
席次表には…見知った人の名前が、沢山あった。
学園の、理事長や…
校長。教頭……、って、…ん?
「あれ?亀山の肩書、教頭になってる!」
「嘘、マジで…?」
一枚の席次表で。
会話が…弾む弾む。
こうなって来ると…。そろそろ気になって来るのは…
『新郎新婦恩師』と、記載されている…
矢代先生の存在。
「『恩師』かあ…。うん、そうだろうよ。うんうん。……悪くない。」
「…………!」
後ろから、突然…首をガッチリとホールドされて。
少ししゃがれた、声が…
耳に届いた。
「矢代先生!」
「よお、お前ら。久しぶりだなあ~。」
カラッカラッて…豪快に笑って。
目尻にシワを…寄せて。
懐かしそうに、目を細める…先生。
……嬉しさを隠せない人だ…。
「いやあ、女子は色っぽくなってるし、芳賀はハゲんなってるし。浅沼はますますデカくなってるし、一瞬わかんなかったぞー?」
「………。……先生も。ますます…デカくなられて…。」
俺ら四人、ジーっと彼の腹周りを凝視する。
先生は、コホン、とひとつ…咳払いをして。
一人ひとりの顔を…ゆっくりと見渡した。
「同窓会、悪かったな…行けなくて。」
「……いえ。先生こそ、手紙に…写真、ありがとうございました。あれのおかげで盛り上がりました。」
恒生が、珍しくまともな発言をして…ぺこり、と頭を下げる。
「だろう?」
ふふん、と誇らしげに。
先生は…笑う。
「……どーやら、やつらは答えにたどり着いたみてーだな。ったく…、何が『恩師』だ。キューピットって付け加えてもらわなきゃあ割に合わないっての。」
「…………。」
キューピットって柄か?
「まさか、こんなに早く同窓会の知らせが来るとはなあ?……な、浅沼。」
「………!な、なんで俺に振るんスか…。」
「………。イヤ、な、ご苦労だったと思って。」
肩をポンポンって叩かれる。
先生を前にすると。
俺はやっぱり…ちっぽけな子供みたいで。
まだ、大人になりきれてないんじゃないかって…思う。
恒生達は、そんな俺らのやり取りを…不思議そうに見守っていた。
「イイヤツだよ、お前は。」


