ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。



早瀬と二人…、ぼんやりと天井を見上げて。



静かに…時を過ごした。







「……早瀬さあ……。」


「……んー?」



「何で、今日帰って来ること…知ってたの?」




「………。さーねー…。」



上をみたまま、ふふっと意味ありげに…笑う。




聞かなくても…本当は、わかってる。


彼女にしか…言ってなかったから。




「じゃあさ、プロポーズされたことは?何で知ってたの?」




「さあ?…………相手…、デカくていい男なんだって?ルカワかっての。」




「……………。」



……透を知ってるのは……。



彼しかいないし。






「……随分と…秘密主義だね。」


「まあねー。」



でも……、駄々漏れです。

きっと、早瀬もそれを分かって…わざとそう言ってる。







君は、ようやくこちらへと振り返って。


ニヤリと…笑った。





「でも、紗羽ちゃんは…リョウちん派だもんね。」




「………?……何の話?」



「んーん、こっちの話ー。」



楽しそうに…自己完結するなよ。


もうちょっと、秘密を覗かせてくれたって…いいじゃない。
















「……紗羽ちゃん、あのさ…。」



「んー?…何?」



「俺の夢って…知ってる?」


「………。……夢?」



「うん。ブルーがいて、可愛い息子がいて…。親子でキャッチボールするっていう…ちっちゃい夢。」



「…………。」



どこかで…聞いた事がある気がした。





「………でも、待って。こんな格好で言っても説得力に欠けるから…。惜しいけど、一回服着よっか。コーヒーでも入れるよ。」










ちょっと名残惜しいけど……

それよりも、言葉の続きが気になった。



お互いに後ろを向いて、服を着替えるのは…最高に間抜けくさい感じだけど。


気持ちが通じ合ったばかりの男女は…高校生にも負けないくらいに、ウブらしい。





それはそれで…私たちらしくて。



妙に…笑えたんだ。














早瀬の隣りに並んで…


コーヒーを入れる。



「紗羽ちゃん、腹減んない?」


「……そう言えば…。」

昼ご飯…食べてない。


「……さっきから、腹なってんだよね。」



「……………。」



「……死にそう。」



「……何の…催促かなあ…?」


「作って?自炊はもーあきた!」


「絶対早瀬作る方が美味しいし。」



「……じゃー…、教えるから。一緒に作ろうか。」