彼女と、彼女の親友…、みっちゃんは。
部屋に着くなり…
どうしたらいいものか、とでも言うように…
ドアの前に立ち尽くしていた。
「……案外…綺麗だね。」
「……だね。」
まあ、片付けたしな。
「アレは……ないのかな?」
「ああ、アレ?」
二人揃って…、キョロキョロと、部屋の中を見渡す。
「……。何みてんだー?」
意地の悪い質問をしてみる。
大方の見当は…ついていたから。
「「エロ本。」」
ほら見ろ、やっぱりなー。
「ああ、それなら…ベッドの下に。……見る?」
興味本心で聞いたくせに、顔を真っ赤にした二人は……。ブンブンと首を振った。
「……やっぱり持ってるんだね。」
「まあ、健全な高校男児ですから。てか、男のロマンっつーの?」
わざとおどけて…言ってみる。
こんくらい開けっ広げにしてた方が…
俺らしいだろうから。
俺たちは特に何をするって訳でもなくて。
目的の…ブルーと戯れたり、中学の卒アルを見たり、
それから…、
漫画を読んだりして。
学校に居る時と、同じように…時間を過ごした。
彼女はもっぱら、ブルーと、それから…バスケ漫画、ス〇ムダンクに夢中で。
世界に入り込んだのか、クルクルと変える表情を見ているだけで…俺は、飽きなかった。
紗羽ちゃんがトイレへと立って、
部屋を出ていったのと同時に……
みっちゃんが、くすり…と、笑った。
「ごめんねー、私までついてきて。邪魔じゃない?」
「……。なんでー?人いっぱいいた方が楽しいじゃん?」
「………。でも、……ダメじゃん、好きな子以外をあげちゃ…。気づくものも気づかないよ?」
「……………。」
みっちゃんは、案外…強敵だった。
「それに。早瀬くん…、関西の大学受けるんだね。地元に戻るの?」
机の上の…参考書。みっちゃんの視線は、しっかりとそれを…捕らえていた。
気づく相手が…違っていたけれど、そんなもんだろう。
「……ん。だから、あと1年半も…ここにはいないんだよね。」
「……そう。……ねえ、やっぱり、私…帰ろうか?」
「…………。」
「紗羽は、だいぶ……、イヤ、かなり…鈍いよ?」
「……知ってる。」
「このままで…いいの?」
「…………。うん。だからさ、みっちゃんは帰らなくていい。」
「でも……。」
「いてくれた方が助かるんだよ。…ストッパー。タガ外れないように…見張ってて。」
「…………分かった。でも、帰りくらいは送ってやってよ?私、家反対方向だし。」
「いいの?送り狼にまるかもよー?」
「……。手……、出さないんでしょ?親友を傷つけるような人には…頼まないって。」
これは…、
最上級の信頼と、牽制。
彼女があんなに惚けていても、
いつも…笑っていられるのは。
彼女をを取り巻く奴らが…実は、しっかりと見守っているからなのだ、と……気づく。
妙に…納得だった。


