きっと…、なにかを企んでいるのだろう。
「余りに遅いから、また、『アホ』って描いてトンズラしようかと思った。」
「……ごめん。」
「…いーよ。勝手に待ってただけだし。…ってか、これって、ストーカー?」
「……違うよ。相手がそれを…望んでいるなら。」
「………………。」
「……早瀬…。……『ただいま』。」
「……うん。……おかえり。」
早瀬の冷たくなった手が…
私のうなじに触れた。
ヒヤリとした感触に。
体が…飛び跳ねそうになるけれど。
君は…遠慮などしなかった。
「間接キスじゃ…もー足りない。」
絡まる視線に…
絡まる…舌。
とろけてしまいそうなくらいに、熱く、求め合う…唇。
雪の上に落ちた…バニラアイス。
だけどそれは、あの時のように…溶けなどしない。
だから、
いくらでも…
時間はある。
これまでの、もどかしかった距離を埋めるように…。
1ミリの隙間もないくらいに。
早瀬と……抱き合って。
何度も、何度も……
キスを交わした。
バニラ味のキスは、どんなキスよりも……
癖になってしまいそうだ。


