早瀬はすぐに呼び出されて 。
あっちへとこっちへと…忙しそうだった。
私は席に戻って、お膳からはみ出すくらいにいっぱいに置かれた料理に…
ようやく、手を付けながら…
ぼんやりと、そんな君の姿を…追っていた。
君は、気まずいどころか…平然としていた。
まるで…アレは、なかったかのように…
ドギマギする自分が、バカみたいなくらいに。
いつもと…変わらない。
余興のステージで、笑いをとる早瀬。
だけど……、
君が楽しそうにしていると。
私も…自然と口角が上がってしまうのだから…仕方ない。
「お疲れ様です。ビールですか?」
「……あ、はいっ。…すみません。」
先程のゆってぃーと呼ばれた先生が、お酒を注ぎに回ってきた。
「大変ですねー、幹事さん。」
「そんなことないですけど…。誰かさんが要領良過ぎて、こっちが貧乏クジひいちゃうんですよねえ…。あの人も、幹事なんだけどなあ。」
ゆってぃー先生は、ちらりとステージの方を見て。
はあーっと大きく溜め息ついた。
「……。あ、このコップ使ってないみたいだから…どうぞ。ビールでいいですか?」
「え、いいんですか?」
「どうぞどうぞ。」
私は、未だに空席の、左隣りから…コップをとって。
ゆってぃー先生に、ビールを注いだ。
「あの人、昔から要領いいんスよー。部活なんて少々サボった所で、練習試合にはちゃんと結果は残すし…、なんてーか、上手いんスよね、人の懐に入りこむのが…。」
ん……?昔?
「ああ見えて、後輩には厳しいんですよ?俺なんていいように使われてる気がします。」
「……。あれ?もしかして…、卒業生だったり?」
「あ。はい、そーです。早瀬先生のサッカー部のイッコ下の後輩で…」
「ってことは…、なんだ、もっと若く見えた!私も卒業生で…早瀬先生とは同級生だったよ。」
「……。……知ってます。紗羽先輩ッスよね。」
「え。知ってるの?なんで?」
「だって……」
『コラ、ゆってぃー!!』
途端に。
マイク越しに…ゆってぃー先生が、名指しされる。
『婚活禁止!お前、知らん顔してないでステージあがれー!』
……早瀬だった。
「…ね、ほら。あーゆー人なんですよ。すみません。じゃ…、失礼します。」
彼は大きく息をついて。
渋々ステージの方へと…向かっていった。


