ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。











翌…、日曜日…。



















「ええー?!プロポーズ?!」



ファミレスに……割れんばかりの大きな声が…響き渡った。



普段のみっちゃんからは想像できないくらいの、ハイトーンボイス。


よほど…、衝撃的だったらしい。






隣りに座っていた未來ちゃんの肩が…

ビクリと跳ねた。





「………紗羽…。どうするの…?」



「どうするって……。」


「だって、早瀬くんは?」




「………。……はは、やっぱりみんな 私って言うと…『早瀬』なんだね。」



ストローでカラコロと氷を鳴らして…


苦笑する。






「だって、……ねえ?」


みっちゃんは、未來ちゃんに同意を求めるものの、彼女にとっては…なんのこっちゃである。




「紗羽…、もしかして…迷ってる?」



「………。……迷えれば…いいのかもしれないね。透にね、言われたんだ。早瀬のこと…話したの。そしたらね、『先が見えないんじゃないか』って。ああ…そうかもー…なんて思ったり…。」



「……え?じゃあ……。」



「早瀬は、私の…初恋だったんだよね。10年…全く会わなくて、おまけに…あんな感じの人でしょ?確かに、不安だよね。私は…どこかで早瀬を忘れようとしていたのかもしれない。結果的には忘れるどころかって感じだったけど…。でも、早瀬は…会いに来た。会いに…戻って来た。」


「…………。」



「私は…、今の早瀬も好きだって…思った。だからね、賭けてみたかったの。でも…一筋縄では…いかなかった。」



「……。あれ……?紗羽、早瀬くんとも…何かあった?」



「……うん。少し…冒険してみた。」



「え、ナニナニ…?」



「それが……。見事に振られちゃった!」









「はあ~??!」



二度目ともなると。流石に周囲のお客さんが…

私達の方を、チラチラと見出した。



「あり得ない!早瀬くんが、紗羽を振るだなんて。じゃあ…、なに?今まで散々思わせ振りな態度をとってたってこと?だから、紗羽は…透さんのプロポーズ…」


「待って、みっちゃん。そうじゃなくて。……それでも、迷わなかったってことだよ。」



「………??ん?」


「最低だけど、本当はその場で…返事はできた。だけど、どうしてもまだ…言えなかった。私は…早瀬が好き。迷いすら…しなかった。」


「………!」


「前に、優柔不断って早瀬に言われたけど…。多分、早瀬には見透かされてたんだと思う。だから…、今までの自分では、早瀬を振り向かせることは…できないんだ。」



「……じゃあ…!」


「プロポーズは、受けない。ちゃんと、素直に気持ちを言って…終わりにしないと。謝って済むことではないと思うけど…。それから…、早瀬にももう一度…伝えたい。だから、最初から…、一から、彼に…ぶつかってみようって。」


「………。初恋と同じ相手に…もう一度恋するってこと?」


「…………。うーん……。言葉にすると、そうなるのかなあ…?透に言われて…ハッキリしたよ。先は見えないって言われたけど、私は自分の未来に…早瀬がいたらって思ってしまった。」


「……紗羽。」


「……んー?」



「……好きな人と、将来ずっといれたら。そんなに幸せなことって…ないよ?」



「………。うん、みっちゃんと未來ちゃんを見てると…本当にそう思うよ。」





みっちゃんとそっくりな未來ちゃんは…


自分の名前を呼ばれて、

ん?って顔して…こっちを見ていた。