人波が…一気に改札口へと流れて来る。 その中で、頭2つ分出ているあの人は…どこにいたって、簡単に見つけることができた。 「紗羽。」 人波を押し退けるようにして。 彼… 透は、私の側へと…駆け寄って来た。 「会いたかった。」 低くて、よく通る声…。 見上げる首が、ちょっとだけ…痛い。 「久しぶり。」 声が…緊張から、少し上擦った。