紗羽ちゃんは結局、
あんパンは買わなかった。
散々迷った挙げ句に…
メロンパンを選んだ。
そう言う俺は、ジャムパンと…もうひとつ。
もちろん、俺の奢りだったけど、彼女があんパンを選んだら…もうひとつ小ネタがあったのに。
「メロンパ〇ナちゃーん、新しい顔だよー。(棒読み)」
彼女に、メロンパンを…手渡す。
「『元気100倍…』……って、ソレ、アンパン〇ンでしょー?」
「うん。だから…半分やる。」
「……え?」
俺は、買っていたあんパンを半分に割って…
彼女にその一方を渡した。
「……なんか…お得な感じ。でも、こんなに食べれるかなあ?」
とか言いつつ、顔が綻んでるし。
「……力がでなーい。」
「……ぷぷっ…、早瀬くん、アホだね。無限ループになるじゃん。」
こんな、小さな日常が…
彼女の笑った顔が…
好きだった。
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