君は、もう私を…見てはいなかった。 煙草に火をつけて。 吐き出したその煙の行方を… 寒空を、 ただ、ぼんやりと…見つめていた。 今日は、綺麗な星空だったのだと… 見上げて、はじめて…気づいた。 自分の足元ばかりを…見ていたんだ。 震える指先で…… 通話ボタンを押す。 早瀬、 君がここに居るのに、違う誰かの声を聞くなんて… おかしいね。