「もー……、びっくりしましたよ!」
「わはは、お前のボケッぷりは健在だ!」
昼食後…
園児と高校生たちが一緒に遊ぶ姿を見守りながら、私と先生は窓際で…雑談を始めた。
「どーだ、紗羽センセイ。うちの生徒達は。」
「………。……高校教師って…大変ですよね。」
「……。そうか?園児と比べたら全然だ。だって、奴等には発言の自由があるだろ?じじい呼ばわりするわ、腹は触ってくるわ、行動も自由!宇宙人を相手してるみたいだが。いやー、先生達は骨が折れるなあ。見事な作り笑い!」
「………。」
「まー…、でも、お前は昔っからよく笑うヤツだったな。天職じゃないか?」
「………だと、いいんですけどね。」
「………。……美那子の子供にも、さっき会ってきたよ。そっくりだな!」
「かわいいでしょ、未來ちゃん。ねー、じいじ♪」
「確かにじじいだな。お前ら生徒は俺にとっちゃあ子供で……。子供が子供を産んだっていう不思議な現象…。年を感じるよ。」
「あはは、認めちゃった。でも、先生あまり変わってないですよ?」
「そーかそーか。ありがとよ。」
「………ねえ、先生。」
「んー?」
「私達の時も…大変だった?手紙…、ありがとうございました。年々難しい生徒が増えてきたって書いてましたね。」
「ああ。……じゃーそのあとに書いたことも覚えてるか?」
「はい。君たちは君たちで大変だったって…。
」
「覚えてんじゃねーか。そのまんまだよ。お前らの時代はなあ、なんと言っても…『ルーズソックス』に『ミニスカート』だろ?それに、『茶髪』もいれば、『ガングロ』。『ロン毛』に…『ピアス』。おまけに色気付いて香水などしてくるよーな時代だ。見た目で言えば、今の方がよっぽどピュアだ。」
「………そうでしたねー…、うん。」
「けど、へこたれない強さは…あったかもな。あん時は教科書でぶっ叩こうが、けろっとしてたなあ。」
「……耳が痛いです。」
「……早瀬なんてしょっちゅうだったけど…今や同じ教壇に立ってるんだから…おかしな話だよ。」
「………。…そうですね…。」


