「マジかわい~。」
「名前、なんつーの?」
これは……
ナンパ。
……では、ありません。
我が園に、高校生達が…やって来て。
ルーズにはきこなしたジャージの裾をふんずけながら…
子供たちと、戯れているのです。
高校の家庭科のカリキュラムに組まれている…
インターンシップ。
一応、就業研修という名目はあるのだが……。
如何せん、彼らもまだまだ子供な訳で…、
時おり、突拍子もないことを…してしまう。
「……………。えーと、『向井』くん?階段は走らないよーにね?」
「はーい。」
「芹沼さん。ずっとそこに座ってるけど、せっかくだからホールとかで一緒に体動かしてもいいんじゃない?」
「はい。」
返事はいいけど…
顔に、
『うっせー、ばばあ』
って書いてあるのが…分かる。
この頃って、案外とんがってるって言うか…
反抗したくなる年頃だけど。
少々自制心も働いて、大人と子供の狭間を行ったり来たり……。
そんなことを理解できるようになっただけ、こちとら、年の功…なのだろうか。
いずれにせよ、わかってる分だけ…
指導しようにも言葉を選ばなきゃいけないから…、意外と大変だったりもする。


