「紗羽先生は、慎重なんですよ。」
途端に、
紘子先生が……フォローに入った。
「………………。」
慎重…?
「ちゃんと彼氏もいるけど、遠恋だし…。ちょうど、見極め時なんだよねーっ!」
「…………。……ええ、まあ……。」
見極め時かは…分からないけれど。
紘子先生がそう言ってくれたことに…ちょっとホッとした。
「そうなのー?いや、高校の…早瀬くん?あの、可愛い先生と仲良しそーだから、相手にいいんじゃないかって話してたのよー?」
「…………。」
うへっ……。
どうして……そんな話に?
「早瀬先生も今はフリーって言ってた。でも彼も結婚とかはあんまり考えてないって言ってたよねえ?」
「そうそう、モテる男はヨユーあっていいよねー。」
………。
………へえー……。早瀬も、まだ考えてないんだー…。
「でも、案外そう言ってる人がイキナリ結婚すよね?」
…………。
「でき婚とかって、今は珍しくもないから…。」
………………。
なんか……嫌だ。
「今から園児募集しとかないと!お子さん産まれたら是非うちの園へって…。」
なんか……嫌だ!!
「……あのっ…!!」
……しまった!
私……何を言う気!?
「………。園庭のビオトープに落ち葉がいっぱいだったので……。掃除してきますっ!!!」
ぽかんとして私を見つめる先生方をよそに…。
私は、職員室を…飛び出して行った。


