彼のテキパキとした指示によって…
テントが、次々と立てられていった。
こういう時の早瀬は、ホント、生き生きとしている。
イベントごとは欠かさない、といったのは…
利央だったか。
いつでも前に立って、クラスを…引っ張っていた。
キラキラと……輝く存在。
人として、憧れずには…いられなかった。
幼稚園の職員達とは、既に見知った関係のようで…。
時折、手を止めては…談笑している。
私はその輪に入っていけず、ましてや…互いの立場を割りきって、ごく普通の対応もできそうにもなくて。
気づかされる…。
私にとって、早瀬は……。同じ学園の職員だって意識よりも。
同級生。
……友達。
いや、そんな言葉で片付けられない特別な存在なんだってことに。
だからって…、向き合う勇気もない。
とことん…臆病者だ。


