ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。





赤の点滅は……。


『止まれ』じゃない。






大人になった分、あの頃の勢いはないけれど…



慎重に、

石橋叩いて渡ることだって…できるんだ。









『もう、振り返らなくても…。目の前に、今の…、いや、10年先もずっと変わらない恋の相手がいる。』



青信号を…待たなくてもいい。


タイムリミットは…ない。


10年前に、好きだった人は…

これから、ずっと…近くにいるのだ。




振り返らなくても、

探さなくても……。






ならば、彼が言う、10年先は……?



そんなことは…まだ、わからない。



正解だって…わからない。



でも、今の私がどうしたいのかなんて…答えは、すでに…出ているのだ。










「……待っててよ、早瀬。今度は…間に合うから。追い付いて…みせるから。」








携帯に刻まれた…番号。







私は、徐に…通話ボタンを押して。



電話を…掛けた。