ここが…街灯の下じゃなくて良かったと…、
心底安心する。
きっと、今…
私の顔は…真っ赤だ。
「……携帯がなると…、どきっとしてた。もう、誰からも連絡来ないって、わかってても。わかてて…そのままにしたのに。だって、怖いじゃん?『報告』なんて…されたら。」
「………。」
「繋がってれば…嫌でも知ってしまう。恒生からかもしれないし、しんちゃんからかもしれない。もしかしたら…、紗羽ちゃん本人から聞かされたかも。」
「…………。早…瀬…?」
「離れてしまえば、どんなに言葉にしたって…伝わらない。太刀打ちだって、できない。」
「…………。」
「思い出を……美化したまま、綺麗にしまっておきたかったのかも。体のいい…言い訳?」
「……………。」
「紗羽ちゃんに男ができたとか、結婚するだとか、聞きたくなかった。なのに……だ、結局こっちに帰って来て…、俺はまだどこかで…望みを捨ててなかったのかな。」
「…望み……?」
「……。俺、今まで紗羽ちゃんに言ってきた言葉に…嘘はない。それは、今日だって。……だから、紗羽ちゃんにとっては例え昔の話でも……、好きって言ってもらえて、本当に嬉かった。」
「………。」
昔の……話?
早瀬は、あの言葉を…そう捉えていたの?
「……でも……、紗羽ちゃんには、彼氏がいる。しんちゃんから…聞いたよ。」
「………!」
「遠距離恋愛だって?」
………もう、連絡も…とってない。
「……うん…。」
「だから…、望みは捨てきれない。」
「……え…?」
「俺は…、離れたらどうにもならないことを知った。今の男を選ぶなら、紗羽ちゃんは…ここにはいないはず。」
「……………。それは……」
「だから、チャンスは…まだ、ある。」
「…………。」
「友達でいい。悪いけど、その立場を…利用する。」


