「私…、駐車場アッチだから。」
「俺らは、コンビニで迎え待つよ。早瀬、お前ら…先に帰れ?」
一つに集結した『輪』が。
これから、向きを変えて…
散っていく。
進む先は…バラバラで。
私たちのこれからを、象徴しているみたいに思えた。
その一歩が……
誰も、踏み出せない。
「………。辛気くせーなあ…。……うえっぷ、いや、酒くせえ。」
ずっと黙ったままだったしんちゃんが…
ここで、ポツリと…呟く。
「……。幹事は……大変だ。連絡つかない奴もいるし、飛び入りする奴もいるし。」
「……。しんちゃん……?」
該当者は……1名のみ。
「酒も思うように飲めないしな。」
「よく言ったもんね。」
利央の厳しい…一言。
「だから…、次は、お前がやれ。早瀬…、お前が。」
「………。」
「番号変える時は、必ず連絡入れ合おう。ここにいる…全員。」
「…………!」
「それから、また……、来年。」


