流行の、R&B。
パンクロック。
時には……フォークソングをハモって。
大いに盛り上がる…私たち。
次第に白熱し、意外にも甘い歌声で…魅了する恒生さんに。
バカみたいに対抗意識を燃やして。
懐メロに、演歌…。
とうとう世代を越えた名曲勝負へと……突入する。
父の十八番だった、かの名曲の冒頭部分を歌い出したときに……。
部屋の戸が、ガチャリとあいて。
暗がりに、光が…差し込んできた。
「……………早瀬……。」
マイクが声を拾って、
狭い部屋へと…エコーする。
発令された大雪警報。
部活を早く切り上げて…、合流した早瀬。
雪で濡れたせいか、珍しく髪がペタンコになっていて。
幾分か…幼くも見えた。
その…、早瀬は。
少しだけ口角を上げて…
私のすぐ側へと、腰を下ろした。
立ち上がって熱唱し終えた私に、拍手をくれて。
鞄から取り出したスポーツタオルで…
わしゃわしゃと、私の髪を…乱した。
「……?!ちょ、…早瀬…?!」
タオルの隙間から見えた、彼は……楽しそうに微笑んでいて。
「髪…、まだ濡れてたから。……ぷっ…、似合うし。」
しまいには、ほっかぶりさせられて…
大爆笑。
「………ひどい……。」
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