放課後……、
「失礼しまーす。」
朝、写真を見つけたと報告に来た生徒、進藤が……。
職員室へと、ひょっこりと顔を出した。
「……お。何だ~?また、面白い写真でも見つけたか?」
「……。いいえ、ちょっとご報告に。」
「……?」
進藤は俺の横に立って、にこにこと…笑う。
「矢代先生に渡してきました。」
「そっか、ご苦労様。」
「……映志先生って、矢代先生の教え子なんですか?」
「…………。なんで?」
「矢代先生、嬉しそうにアルバムに入れてました。『昔の生徒の悪戯なんだ』って。」
「……。へぇー…。」
「生徒じゃなかったら。…知らないですもんね、10年前の写真のことなんて。それから…、『やっと全部揃った』って。」
「……そう。それは良かった。」
進藤はぺこりと頭を下げて。
部屋を出る前に、もう一度……
こちらへと、振り返る。
「……いいですね、そういうの。」
「…………。」
「私達も…しちゃおうかな。」
「……いいんじゃない?」
「なら、センセー。……2年後…、覚悟しててね。」
あの時の自分達と…同じ目。
「…………。ハハッ、『おととい来やがれ』!」


