2月の末……。
たまったソレを、友人に分けて……
俺らは、ある企みを…実行する。
「そういえば。…お前の写真は?まだ見てないけど。」
昼休みになって……。バラバラに散っていく仲間を見送った後に。
割と仲よくしていた恒生に捕まって…、
鋭い指摘を受ける。
「いらん。だって、俺は撮った側だし。一枚一枚が奴へのメッセージになる。」
「クサっ…。」
そう言って奴は笑い飛ばしたけれど。
何もかもが見透かされている気がして……、
実を言えば、苦手なタイプだったりもした。
「そんなこともあろうかと……。」
奴が、ペランと一枚の写真を。
俺の前に……翳す。
「………?なにコレ?」
そこには、俺らの日常が窺えるような…
教室の中で撮った…光景。
「………。あ。紗羽ちゃんと……佐田さん。」
一番印象的に写っていたのは……
楽しそうに笑い合う…二人。
「……。ふぅーん、お前はやっぱり一番は…ソコなんだな。」
「…………?」
「違うよ、これは……、お前を撮った写真。みんなの中にいる……早瀬映志。」
恒生が指差す位置に……。
小さく写る、俺の顔。
「………。お前はいつも…何を見てたんだろうな。写真は……嘘をつかない。」
恒生から見た……、俺。
客観的に撮られた…自分。
写し出された…現実。
稲守紗羽を見つめる……
視線。


