誰にも見つかることなく、彼女の部屋へと潜入すると………。
一番手前に敷かれてあった布団の上へと…彼女を降ろした。
「……う…ん。」
誰もいない……
真っ暗な空間。
少しだけ声を出したかと思ったら、
またすぐに……
寝息が響いてきた。
「…………。無防備すぎるだろ…。」
俺とでは……
間違いは起きない。
きっと、そんな信用があるからこそ……
今こうなっているけれど。
少しだけ……
後悔していた。
なぜなら、鼻先をくすぐるシャンプーのいい香りに。
無防備な…
可愛い猫顔。
妙な衝動が起きないうちに、
いや……、
もう十分衝動的だったと思うけれど。
俺はつい……、
ポケットに入れていたカメラを…構える。
静寂な部屋に響くシャッター音。
自分だけが知る……
彼女の、寝顔。


