「さっさと乗れよ」 「は?」 「乗れ」 睨みを利かされ、挙げ句、命令口調で言われる。私はそれにカチンときて更に睨み返す。 「絶対いや」 「あ?乗れ」 「アンタの後ろに乗るくらいなら無理にでも太陽の後ろに乗る」 「――…」 太陽の名前を出した途端に、眉根が寄り、更に睨まれる。それに少し臆してしまう。 背も高く、体つきも良い湊。瞳も鋭く、上から見下ろされるようにして睨まれるのはあまり良い気分ではない。