恋したvampire

「ミリア……?」


そんなあたしのことを心配そうに見る彼の問いかけにも、あたしは答えることが出来ずにいた。


しかしそのヴァンパイアはあたしの元へ辿り着く前に力尽き、バタリと地面に倒れる。


その姿に、あたしの身体は恐怖で支配された。


そして何処からか、異界の声がする。


『このおきて破りめ』


“おきて破り” と言うその異界の声に、あたしの心臓はドクンと跳ねる。


そしてそのヴァンパイアの姿はスッと消え、異界からの声の気配も消えてゆく。


それでもあたしの動機は収まらず、ただヴァンパイアが倒れた地面だけを見つめていた。