黒鴉-黒の王-



芙蓉さんの顔が少しゆがんで私の手を取った。




「ああ、そうだ。



でもこれはお気に入りであって結婚ではないんだ。


お気に入りは一人ずつ御前に並んで帝様が直々に選ぶのさ。



そしてお気にいり選びは花嫁探しの第一歩のようなもの。



それで気に入られたものはお部屋付きになり最後に帝様に選ばれたものが位を得て残る。






 
 女の戦いさ」






「戦い・・・」





頷いて私の手を握る力が強くなる、爪が食い込んで痛いくらいに。


「その一回きりなんだ、確実に近づけてぼやけてるとは思うけど顔が見れると思うのは・・・・」





「もちろんこれはかなり危険な賭けじゃ。

 

 相手は妖怪、素性を隠していったとしてもとって食われるかもしれん。



 選ばれなければ帰ってこれるが・・・・選ばれたら。

 

 そこからはよくわからないのじゃ・・・」


俯く渋い顔。