*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

六の君の瞳には薄く涙の膜が張り、目の縁が細く潤んでいる。






そして、泣きそうに震える声で、囁くように言葉を紡ぎ出した。








「……………ミギワ」








灯は、その勿忘草色の瞳を吸い込まれるように見つめた。








「ーーーミギワ……汀。


………水際、か」








灯は微かに頷く。








「………よく似合ってる。


お前のその、青く澄んだ瞳に…………」








空の色を映す深い泉のような双眸から、ぼろぼろと涙が零れだした。






灯が驚いたように六の君ーーー汀の顔を凝視する。







「…………な、なぜ泣く………」