*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

並んで座り込み、庭土に穴を掘りながら、汀はにこにこと話す。






「髪なんて伸ばしたって、ろくなことなかったわ。



絵巻物とかを見る時に、目の前に流れてきて邪魔だし。


頭が重くて肩が凝るし。


髪を洗うとなかなか乾かないし………。



あぁ、ほぉんと、さっぱりしたわ」






汀は短くなった髪を耳にかけ、満足気に灯を見た。






「………よし、穴はこんなもんでいいわね」





拳ほどの深さになった穴に、断ち切った髪を集める。





最後に手を合わせ、汀はそっと目を閉じた。






灯は隣でそれをじっと見つめている。