*華月譚*月ノ章 姫君と盗賊の恋物語

「まぁ、いいの?


じゃあ、お言葉に甘えて………」






にっこり笑って酒を受け取ろうと群雲に手を差し出した汀の頬を、灯がくいとつまんだ。






「阿呆、酒なんか飲むな。


悪酔いでもしたらどうする」






「あら、大丈夫よ。


私、お酒、強いのよ。


そんなに簡単に酔っぱらったりしないわ」






「何を言う。


お前は酒など飲んでなくても常に酔っぱらってるようなもんだろう。


これ以上酔ったら手のつけようがなくなる」






「まぁ、失礼ねぇ」







汀は頬をふくらませながらも、灯の言葉に従って手をひっこめた。






そんなやりとりと、群雲は可笑しそうに眺めている。